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二兎を追う者は一兎も得ず

「『職業調べ』に関するご協力のお願い」

なるものを、ママ友から渡された。

中学1年生の夏休みの宿題だそうだ。

進路学習の一環として身近な人の仕事について調べる、のだと。

?わたしが貴方の娘の題材?

こんな、我が道しかいってない感じで大丈夫?ってきいたら、

うん、うちの子もそんな感じだから、って。

ん?

ほめてる?

 

進路かぁ、

目標かぁ、

苦労かぁ、

ふりかえってみた。

 

g3と切っても切れないことわざは

「二兎を追うものは一兎も得ず」

 

このことわざを子供の頃聞いたとき、何言ってんだか、って思った。

負け犬の遠吠えだな、くらいな気持ち。

 

でも、歳を重ねるごとに、このことわざが一歩ずつg3に近づいてきた気がする。

設計事務所に勤めていた25歳の夏。

二兎を追った。

大学院受験と一級建築士受験。

ところがまず、大学院受験に敗れた。

れいのことわざがよぎったが、そうはさせじ、と、

同年、2つ目の兎は得た。

翌年、どうにか、1つ目の兎も得て

再び学生となった。

 

時が経ち

40歳。

大手建設会社設計部員で現場通いだった頃。

子育てと現場

この二兎は、あたたかい協力のもと、

二兎をいっぺんに追わずに、一兎ずつ追ってどうにか、乗り越えた。

(ブログの通り)

 

42歳。

子育てと新しい現場

この二兎、追ってしまった。

娘たちが乳児ではなくなっていたこと、

なんとかなるという傲慢な自信。

主人単身赴任だったのに。

両親の協力は得られない状況だったのに。

 

二兎を追い始めて数カ月経った頃。

その日の仕事がその日のうちに終わらない。

次の日

前の日の仕事がまだ終わらない。

頭がまわらない。

処理できない。

できない。

・・・・・・・・

出社できなくなる前に上司に交代を申し出た。

そして

初めての休職。

数カ月後

ようやく

大手建設会社設計部員復活。

 

今、ふりかえると、

g3の傲慢さがg3を休職に追い込んだのだと思う。

 

初めての経験。

初めての休職は、自信もなくしたが、傲慢さも減ってよいこともあった。

 

ただ、人は忘れる生きものである。

g3はとくに忘れっぽい。

 

その忘れっぽさがさらなるアダとなった。

 

つづく